築40年の平屋と増築した築20年の二階建てとの元二世帯住宅の改修である。 平屋は10年前に一度リフォームされていたが、ライフステージの変化により二世帯ではなくなったことから、平屋部分をメインにおもてなしができる来客用の空間に変えたいとの要望であった。 築年数を考慮し、 耐震診断、耐震設計を同時に行った。 多くの壁で細切れになり、使い勝手の悪くなっていた空間は、耐震性能を保ちつつ、壁を取り払い新たな梁や耐震壁で十分な広さを取り、さらに天井裏のスペースを室内に取り込むことで大きな空間を作り出した。 その空間をラウンジ、リビングルーム、ファミリールームという各室をプライベートの度合いの順に分け、各室の間にはその時々に応じて閉めたり開け放したりできる引戸でゆるやかに区切っている。 昼間でもあまり明るくなかった室内は、平屋という条件を活かしトップライトを設け、さらに南側の窓を大きくすることで十分な採光を確保している。 外部はタイル貼りのラウンジの延長にテラスを設け、テラスは扉を開くと通り抜けることができるドックルームを介してプライベートテラスとつながっている。 二匹の大型犬は家の内外でその時々の居場所を探しながら自由気ままに歩き回っている。